谷川縦走での奇跡!
先週末、長いこと楽しみにしていた親父との主脈縦走計画が天候不良でキャンセルになってしまったので、今度こそと天気予報を確認して再び谷川へ向かった。両親は福島方面へ百名山めぐりに行ってしまったので今日は単独。
6時ちょうどに土樽から茂倉新道を登り茂倉岳(8:45)・一ノ倉岳(9;00)へ登りあげた。
ここでトレランの支度をした若い男性に会い話をすると、4時に土合を出て白毛門・朝日岳・清水峠・武能岳という馬蹄形縦走路を走ってきたとのこと。時刻がまだ9時過ぎだから、ここまで5時間はかなりの人だと思った。男性はあっという間に駆け下りていってしまった。
思ったより上りに時間がかからなかったので、もう少し歩くために尾根伝いに一ノ倉沢ノゾキやトマとオキの耳、肩の小屋方面に縦走した。アップダウンが多く、ここはコースタイムくらいに結構時間がかかった。
そして万太郎・仙の倉・平標へと続く南稜=「谷川岳主脈」も少し覗きたかったので、中ゴー尾根出合まで駆け下りて少し休憩した(11:00)。
その後、天神尾根からの登山客で賑わう肩の小屋や両耳周辺を素通りし、再び一ノ倉岳・茂倉岳へ戻る(12:30)。基本的にトマの耳から先は一ノ倉岳・茂倉岳遠くに行くにつれて登山客は激減し、土曜日でも人影はまばら。しかも、茂倉岳から武能岳・蓬峠へ向かう登山道はほとんどいない。ワンゲルサークルの若者と会っただけ・・・。
所持している水が底をつきヘロヘロになりながら武能岳への最後の登りを歩いていると数名の団体が駆け下りてきた。よく見ると、比較的軽装で靴もトレランシューズの人達。馬蹄形でのトレーニングかなと思って、「僕もトレランやってるんですよ~」と生意気に訴えてみたり、雑談に花を咲かせていると、「田中さんも後ろから来ますよ!」と一言あり。何?田中さん?田中正人さん?「え~!本当ですか!ああそうか今日は本来であればツールドTANIGAWA予定していた日でしたよね!僕も開催(応援)を楽しみにしていたんですよ」と盛り上がる。
数分後にはトレイルランニングの先駆者本物の田中正人さんが下ってきて思わず僕も興奮して夢中で話をしてしまった。田中さんには昨年のKOCCHI主催のハセツネ夜間講習会や赤城山トレイル大会では第1回目から講習会などで指導を受けたこともあり、谷川岳の山奥での奇跡的な出会いに感激。
「いや~今日登りにきて本当に良かったね!」と周りのトレランの方も足を止めて笑顔で迎え入れてくれた。握手をしていただき、写真を撮り、ブログに載せてもいいですかと確認して、トレランご一行を見送る。
所持の水不足のなかで田中さんと出会い、感激で涙を流しながら一気に武能岳を駆け上がり、いよいよ蓬峠(ここには水場があるはず)に向けて平坦な道を駆け出すと、今度は3名のトレランさんに会う。「さっきの田中さんとご一緒ですか?」と尋ねると「え~?田中さんも来ているんですか?」と返答があり、どうやら別のグループらしい。でも、やはり馬蹄で来ている方々なので体力的には相当の方々だろうと察しながら、1名の女性を見ると、なんと川場の星野さんではないですか!先日赤城のトレランクリニックでも講師の一人としてお世話になったし、昨秋のハセツネや山田昇杯・トランスジャパンレースなどでもご活躍は存じ上げておりますよ!
わぁ感激と思い、緊張しながら話をしていても気さくな人柄にはとても好感が持てました。
ますますのご活躍が楽しみなので「一緒に写真撮っていただけますか」とお願いしてもいやいや私なんか・・・と実に謙虚でやんわりとNGでした。(遠景なら星野さん許してくれるかな。下の頂上付近の最後尾の方です)
考えてみると、茂倉新道から早い時間に蓬峠へ降りてしまえば白毛門から回ってくるトレランの皆さんとは会えなかったし、自分としては意味もなく南稜まで往復してきたことで時間が稼げたので、ちょうど午後1時頃に田中さん星野さんとお会いできた。もちろん逆走だからこそのこと。蓬峠(14:00)→土樽駐車場(16:30) 賞味10時間の山行でした。
馬蹄形コースをトレーニングコースにしている選手も多いと横山峰弘さんに聞いたこともあり、土日の天神尾根や両耳の混雑を考えれば、のんびりと人影のない静かな蓬峠・清水峠あたりを歩くとトレランの方との出会いもまたあるのかなと思った。
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田中正人さん・星野緑さん(ともに群馬在住かな)の活躍を楽しみにしています!レース会場や講習会・そして今日のような山中での遭遇でも、超一流トップ選手と気軽にお話できてしまうのがトレランのいいところです。素晴らしい出会いをありがとうございました。
この記事は個人的な山行・ランニング記録としてまとめています。特にコースタイムやルート状況の記載には個人差や主観がかなり含まれますのであまり参考になりません。
エスケープルートの確認、最低一晩は夜をこせる装備(衣類・ヘッドランプ・食料ほか)の持参が必要な山が多く含まれています。
気象条件や目的・個人の力量・経験にあわせて必ずご自身で綿密な計画を立ててください。最近、ネット情報に頼りすぎて遭難に至るケースが増えているようです。(『山で死んではいけない』74ページ,山と渓谷社,2009.9)
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コメント
田中さんと出会えたなんて良かったですねー♪
谷川は明日晴れれば行こうと思ってるんですけど・・・
天気が微妙なんですよねー!
ルート参考にさせていただきますね。
投稿: たあたん | 2009年6月28日 (日) 08時26分
土樽駐車で茂倉岳・一ノ倉岳くらい往復で素直に武能岳・蓬峠方面に下りてくれば7時間程度で行けるとかと思う。この辺は全然人がいないので上越国境の静かな山を楽しめて好きなところですよ。
急登というより緩やかなアップダウンが続くコースなので、いずれは走りにいくのもいいかも・・・。天候の判断と怪我には気をつけよう!
投稿: sugoroku | 2009年6月28日 (日) 09時20分
コメント連投御許しください。
自分は去る7月19日、馬蹄型縦走にトレラン単独行に挑戦しました。
結果は七ツ山小屋山~避難小屋間にて道を熊に遮られ無念の中断。
天候も悪くなり、吹きさらしの考えられる稜線を避け、
エスケープを図ったのですが、所々ハードなところがあり、
ヒイコラとロープウェイまで帰還しました。
赤城よりはキツイかな程度に考えていたのが甘かったです。
途中途中の判断にでかいミスがあったらやばかった。
後日準備を整え、再挑戦したいと思っています。
投稿: isesaki人 | 2009年7月20日 (月) 22時01分
なに!熊ですか!しかも一番奥深い清水~蓬峠付近ですね。本当に出没が多いみたいですね。
ところで、僕も昨日午後に北陸道経由で新潟から群馬に戻ったけど、天気雨でした。谷川も悪かったでしょう。
~ちょっと苦言ですが~
馬蹄は十分注意したほうがいいです。トレランというかそれなりの登山装備でないと痛い目にあいます(あっもうあいましたかね)。
エスケープがないんですよ。無人の避難小屋はいくつかありますが、山深いので一晩越せる装備がないと薄着では低体温症の危険性もあります。
最近トレラン雑誌とかに紹介されるようになったから結構ヤバいんじゃないかなと内心思っています。簡単に走れるところではないですよね。
だから定さん、天候と装備と覚悟を決めて万全の準備で再チャレンジ頑張ってね・・・!でも清水峠まで行ったということは白毛門や朝日岳の急登はクリアしたのかな?逆周りかな?
旧国道の白樺小屋あたりの登山道もあまり人が歩いていないみたいでクマザサとかでエスケープといっても結構不安になるんだよね~。
また後日談を聞かせてくださいね!連投全然OKよ。
投稿: sugoroku | 2009年7月20日 (月) 22時35分
長文乱文御許し下さい。
アドバイスありがとうございます。
ホントに自分は甘チャンでしたよ。
トラブッて立ち往生した時のイメージが全く無くて、
うまく行く事を前提とした計画、装備でしたね。
山中ではいやに落ち着き払っていた気がするんですが、
思い返せば無茶っぷりにチト寒気。
冷静ではなく只の無謀だったのかしらん…?
さて、そんな恐れ知らずな道程ですが
今回は時計回りでスタートしました。
ロープウェーを見上げつつ天神平まで登ると、登山客いっぱい。
ひとりトレラン姿の自分は明らかに浮いていましたが
気にせず進みます。
谷川岳頂上を過ぎれば人もまばら、天気景色も最高。
蓬ヒュッテあたりから曇り空になりジャケットを用意。
七ツ小屋山付近で例のトラブルにて後退。
ヒュッテが空いていたのでここで一泊…いやそれでは食料が厳しい。
諦めて湯檜曽川伝いのルートで下山することを決意。
白樺小屋までたどり着き、休憩したらここで土砂降り。
このまま避難小屋に雨が弱くなるまで一休み…って今度は
体が冷えてきた!?急いで予備の長そでシャツに着替え事なきを得る。
雨が落ち着くのを見計らって、小屋を飛び出し小川と化した道を駆け下りる。
トレランっぽくなってきたぞ、でも道はまだ長いので慎重に走行。
その後旧国道に上り、数キロ進み何とか帰還。
使わなかった装備はヘッドライト、医療品くらいかな。
他の装備はほぼ使い切りましたね。
トップランナーのトレーニングコースだけあって効きますね。
2日経った今でもキツイ筋肉痛です。
投稿: isesaki人 | 2009年7月21日 (火) 20時48分
定さん大変でしたね。心中お察しします。でも無事に帰ってきたから結果オーライ、今回をいい教訓にしますかね・・・。
僕もあちこちで怪我したり道迷いになったり挫折が多いので、敗因と反省をバネに最近ようやくポジティブになってきたもんですよ。
確かにある程度の山に行くとトレランが浮きますね。僕も尾瀬とか行くときは駆け足だけどなかなか走るとこまではいかない。それに備えもあるから、どうしても重装備になりますよ。捻挫も心配なんで登山靴が多いです。
ある程度知っている赤城とか里山くらいなら大事には至らないんでしょうね・・・。ぐんま百名山も密かにお勧めですよ。
時計回りか・・・ある意味邪道ですね。
白毛門へのいきなりの急登もどMな人にはたまりませんよ。
投稿: sugoroku | 2009年7月21日 (火) 21時38分