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2009年8月15日 (土)

山小屋の主(あるじ)

8月はじめの南ア縦走で山小屋に三泊した。農鳥小屋→塩見小屋→北岳山荘。

北岳山荘は公営で規模も大きく、立派な山小屋なので「期待を裏切らない」ことは確実。けど、季節によっては大混雑で寝るスペースが極端に狭くなるとか、比較的初心者が多くてマニアックな山行に努める人は逆にその雰囲気は敬遠したくなるかも・・・。

そんななか、農鳥小屋と塩見小屋については、ネット上で賛否両論かなりの意見が見られる。大体「二度と泊まるものか」「あの親父が・・・」とぼろくそ言われているのも目立つ。昨今のネット社会は本当に恐ろしい。真意が伝わらないというか釈明の機会も与えられずにすぐ暴走。で、山小屋の評判は登山計画の大切な部分でもあるので、悪い話を聞いた人も高い確率で影響されるからますます悪循環。

たぶんこのページに「農鳥小屋」「塩見小屋」の検索フレーズから来る方もいると思うので(小屋の名誉のためではないですが)宿泊客としての感想を多少述べると、「百聞は一見に如かず」ということと、「要予約が原則・キャンセル時も連絡が必要」ということ。

塩見小屋の日は僕は雷雨に打たれて心身ともに衰弱(腹痛)でもうろうとしていたので夕飯も残してしまい、偉そうに評価はできないけど、そんな状態だから暖かいお布団に泊めて貰えただけでもありがたい。山深く、水場遠く、環境トイレ設置で地道にやっているようだが、立地としても塩見岳直下で泊まれるのは貴重で助かる。

ここは予約者とそうでないひとの対応が明確に分かれているようで、これは予約者としてはありがたいことなのかもしれない。小屋・布団・食事ほか特に申し分なく、泊めて貰えてありがとうでした。

一方の農鳥小屋は・・・確かに親父さんは厳しい人かもしれないけど悪いところではないですよ。同じ日に泊まったお客さんの中に、「前に来た時にすごく怒られたけど、ありがたかった。また来ました」と話していた人もいた。ヤマヤの親父のありがたい助言だと思って素直に聞く余裕を持ちたい。喧嘩してもしょうがない。

いい所をあげると、

①親父さんは予約者の動向をかなり心配していた。当日着くはずの団体7名が来ないので、北岳・間ノ岳方面から下ってくる人達に聞きまわっていた。予約の電話応対や所在地確認もあちこちかけていた。

②宿泊者の登山計画の確認にも余念がない。翌日にどこへ行くのか、無理そうな人はいないかチェックしていた感じ。(南アルプス全体がそういう確認が徹底されている印象があった)

③番犬の犬には(犬にも?)優しい。怖い顔した犬が4匹いた。夕飯前に散歩。

④確か電気もないのではないかな、食事は質素なおかずだが、それもこういう小屋独特の楽しみとして受け入れよう。

⑤夕飯前に韓国人パーティーにも気さくに声をかけていた。外国人も多く泊まるそうで、対応も慣れているみたい。でも厳しい時は外人さんにも厳しい。「ウオーター・ノー!」=歯磨きは飲み水ではなく天水ボトルでしてくれという意味だった。

僕も狭い狭い食堂(食事小屋)でちゃぶ台を動かして座ろうとしたら、「はいはいなるべく動かさないで!みんながちょうど座れるように並べてるんだから!」と注意された。秩序を乱すなという視点、なるほど。

そんなわけで、豪華な山小屋ばかりではなく、こういう一風変わった雰囲気の山小屋も半ば期待して泊まってみると楽しいかも。(ネットでは思ったより親父さんが普通でがっかりという反響もあるくらい)。

農鳥小屋で検索して一抹の不安を覚えてこのページを見ている方、「百聞は一見にしかず」。ここに泊まるか泊まらないかで翌日の奈良田への下りに余裕が生まれるはず。しかも、親父さんの計らいで朝食は4時から4時半には出してくれる・・・・。

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コメント

今日、大渡トレーニングセンターでお会いした者です。自分も昨年南アルプスへ行ってきました。お盆過ぎに行ったのですが、暴風雨で大変でした。甲斐駒ケ岳と仙丈岳に登る予定でしたが、甲斐駒ケ岳だけ登って帰ってきました。林道が通行止めになるところでした。今年はリベンジで10月に南アルプスの鳳凰三山をテント泊縦走する予定です。天気がいいといいのですが・・・

投稿: まーくん | 2009年8月15日 (土) 21時42分

本日は偶然ご縁がありありがとうございました。気合を入れてOSJのTシャツを着ていた甲斐があったかな。

南アは標高も高いし夏場はどうしてもガスが多いのでしょうか。皆さん雨の話をされる方が多いですね。

北岳山頂から鳳凰三山・仙丈ヶ岳・そして甲斐駒ケ岳を眺めて、次はどこに登ろうかとワクワクしてきました。
親父がどうしても黒戸尾根で甲斐駒に行くぞ!というので9月か10月に連休が取れたらテントか小屋予定で登る予定です。
先々週NHK「小さな旅」で黒戸尾根を特集してました。片道10時間とか…。最近はトレラン練習でここを登る人も多いようですが、高山ですからね、気をつけないと。

投稿: sugoroku | 2009年8月15日 (土) 22時37分

昨年の雨は普通の雨ではなかったです。着いた日からとにかく降りっぱなし、夜は一晩中雷なっていたし、テントの中で生きた心地がしなかった。せっかく来たので無謀にも暴風雨の中、甲斐駒ケ岳に登ったけど当然に視界なし。持っていった物がほとんど濡れてしまい大変だった。その時、関東地方もすごい豪雨だったらしく、会社でも我々が山で大丈夫なのかと話題になっていたとのこと。(会社の同僚と二人で行きました)異常気象にはお手上げですね。

投稿: まーくん | 2009年8月16日 (日) 20時59分

神流でお世話になった「山ヤ系ランナーペア(東京):オス」です。
大変楽しい二日間でした。
で、見つけました。農鳥親父の記事。
思い出しますねー、その通りですねー
そういう私は、農鳥親父については申し上げたいことたくさんありますが、決して否定しているわけではありません。
古き良き南アの親父…このコメントを読まれる方、期待して訪ねてみてください。

投稿: 山ヤ系ランナーペア(東京):オス | 2011年5月 9日 (月) 22時30分

>山ヤ系ランナー:オスさん
7日の日は懇親会でもお世話になり、コメントも有難うございます!こっちに反応してくれましたね?
ブログのアクセス解析で夏場になると「農鳥」関係の検索ワードが激増するんですよ・・・笑
こんな感じ↓
<2011.8あとから追記>
http://climb100.cocolog-nifty.com/akagi/2011/07/7-12c7.html
<2011.5原文>
http://climb100.cocolog-nifty.com/akagi/2010/08/4-6ab8.html

また神流でお会いできることを楽しみにしています。実は今日も神流(白髪岩原三角測点探索トレイル)でした・・・。

投稿: 山系ENJOY | 2011年5月 9日 (月) 22時39分

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