神流マウンテンランだ
お待たせしました。ようやく神流報告します。今回は雲取山でなくしたデジカメがいまだ見つからず凹み、レース中も中盤でペースダウンしてしまったので課題が残り、帰宅後は連戦の疲れがでてぐったりしてしばらくパソコンを開けませんでした。(一部写真はベアーさんブログからの転載です)
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初開催の神流マウンテンラン&ウォークに参加。事前に「狩猟解禁日と重なるので大会を中止または順延」との地元新聞報道で駆け巡り、緊張感の中での開催。
■大会HP http://kanna-mountain-run.com/index.html
前日は前夜祭パーティに参加したかったのだけど、あいにく仕事のため、午後9時頃に神流入り。万場小学校の体育館はパーティの後片付けをしていた。
駐車場には車10台弱でトレラン大会にしては珍しく車中泊組は少ない模様。神流町をあげての開催となるこのレースでは参加者も(地元群馬の方も含めて)旅館や山荘に泊まっている人が多いようだった。これが醍醐味なんだろうな。駐車場では東京からの新河岸さんと群馬のザスパ伊勢崎さんも合流してそれぞれ車中泊。
朝4時にトイレに行くので国道沿いに出たら、そこにはこんなに朝早くからオレンジ色の服を着たボランティアさん総勢50名~80名くらいが各自準備をしていて、眠気眼の僕は驚き感激した。
朝7時のロングコーススタートを前にした開会式で鏑木さんも忙しそうに挨拶!
スタート地点は川向こうの高台の林道地点。橋の上で四国香川からお越しのかの有名なごうやす氏と偶然会い、初対面だがなぜかすぐに分かった。そのほかベアーさんやisesaki人・ホシノスポの方など大勢の仲間と会う。試走でもご一緒した桶川師匠チームはいつもどおり最後尾からのスタート。
スタート後、川向こうの林道を下り、神流川をわたるとそこは神流(旧万場)の町の市街地を通る国道沿いの集落で、じいさんからばあさん、こどもからおとな、おとこもおんなも・・・大勢の人が祝福して声援が送られる。これは選手にとっても非常にうれしい歓迎。
おそらく、旗を一生懸命に振る町の人達には、こんなに多くの若者がはるか遠くの峠道を目指して駆け抜けていく様子は相当めずらしいものに違いない。トレランてなんなんだ?と・・・。
町の人の温かい声援はレース中もレース後もすべてにおいてうれしいものだった。特に新鮮だったのはスタート直後の急坂途中にある介護老人福祉施設「シエステやまの花」の人達。ベランダから車椅子のおばあさんやじいさんが大勢手を振って応援してくれた。
日曜日の午前7時過ぎなんて、老人ホームの職員にとっては一番忙しい時間だと思うんですよ。はっきり言ってのんきに人のトレランの応援なんてしている場合ではないのです。
でも、この日しっかりと選手を励ましてくれるということは、マラソン好きのじいさんが望んだのか、どなたか職員さんがお年寄りたちに一風変わった光景を見せてあげたいと思ったのか、はたまた理事長さん・施設長さんの厳しいご支持なのか・・・僕には知る由もありませんが、すごくうれしいことでした。一番感激したことかもしれない。
さて、レースは山道へ入り西みかぼ山への急登コースを駆け上がる、というかみんな歩く。試走の時よりペースは全然速い。板橋の新河岸さんや新座のウルトラさんと併走し、ザスパ伊勢崎さんはスカイランナーのキャベツ(松本大)さんと語らいながら先行する。ちなみにこの日キャベツさんはファンランで競技対象外でランナーと一緒にあちこちで戯れてました。
道中の紅葉とみかぼの第一エイド・みかぼ山頂の写真。1:40で10キロ地点(みかぼ山)なので、予定タイム2:00より結構いいタイムでこれから先の期待に心弾む。
みかぼ山からあっという間に下山し、その後はしばらくスーパー林道。と、僕は勝手にこのまま森林公園を経て杖植峠まで15キロくらい林道走りだろうと捉えていたのだが、そんなに甘くない。オドケ山の北側稜線などのトレイルへ誘い込まれ、コースは多少のアップダウンをしながら進む。自分の勝手な予定が崩れて少しこの辺で動揺した。(改めてレース図を確認すると、林道ではないところに赤線があるんだな)
塩沢峠からのダートコースを走る新座のウルトラさんとそれを後ろから煽る?我らがウルトラトレイル・ド・モンブラン3位入賞!鏑木さんの車。鏑木さんは運転席から選手に大声で声援・アドバイスを送っていました。
第一関門、みかぼ森林公園。もちろんここにも警察車両あり。そうそう、未明からパトカー・機動隊車両による周辺検問(レースが開催されることをハンターに周知)や、レース中には消防による林道巡回、空からセスナ機によるスピーカー放送などありとあらゆる手を尽くして安全開催に努めた感じ。ご苦労様です。
調子が崩れてきたのはこのあたりからで、決して40キロコースを甘く見ていたわけではないのですが、いまいち体調管理不足か連戦の疲れとかで、ここ中盤の林道あたりでかなりペースダウン。
第一関門から例の如く林道から離れたトレイルに誘い込まれ、そこはアップダウンの連続。数々のレースに比べればたいしたことはないはずなのに、登りに入ると大腿筋内側が痙攣してしまい、満足に登れなくなってしまった。おまけに林道の平地走りでも各所が攣ってしまうのには本当に困った。
そんな時に後ろから抜かれて優しく声をかけてくれたのは今年のハセツネ女子優勝の星野緑さん。今年は赤城トレランクリニック・谷川岳縦走・志賀野反・山田杯などでお会いし、今日もご縁があった。
足が痛くてひいひい歩いていると優しく「ガンバ~(甘い声)!」なんて言われるとちょっと青春時代を思い出して駆け足になったりした自分。
左の写真の前を行く女性です。星野さんもこの日は招待選手ファンラン。杖植峠3:50
杖植峠からの後半からは下りがほとんどだということは試走時に確認済みなので、登りで少し足を温存して下りを飛ばすことにした。ふかふかの落ち葉のトレイルと九十九折れの緩やかな下り坂を気持ちよく走り、あっという間に持倉集落(4:30)。そばがあるというのでみんな楽しみにしていて、エイドに何十分も立ち止まっている人もいるみたい。集落のおじいさんばあさんもにこにこと嬉しそうにしている。選手が元気をもらうばかりではなく、自分たちも町の人に元気をあげられるのだ。いきいきしているばあさんも印象的。
持倉エイドで合流したのはザスパ伊勢崎さんとisesaki人さんたちで、赤城のレースもトレランクリニックも、ロードレースもいっつも同じようなペースで走っている仲間。ちらりと二人の動向をけん制しつつ、ほぼ同時にエイドを出て安取峠への林道を走る。
先を行く二人。安取峠付近 5:10くらい
残り7キロくらいのトレイルはまさに鏑木さんの言う「極上トレイル」「自分に酔って!」「下りはダンシングように!」のとおり、終始楽しく走れるコースでした。登山道ではないのでこの道も地元ボランティアの皆さんが一所懸命整備されたようです。
この付近は鹿やイノシシの痕跡が色濃く、ピンクテープがなければただの道迷いになりそうな雰囲気。なるほど狩猟解禁日との重複が懸念されるわけだよな。
今日は下りで怪我・捻挫することなく、無事にゴール。タイムは6時間4分でした。前半が調子良かっただけにちょっと残念。桶川師匠はさすがで5時間40分台、ウルトラさんも新河岸さん・セントラルスポさんもisesaki人さん・ザスパさんも5時間50分前後で大きく離されてしまったのはわずかに悔しい。
ゴール後はミドル参加の知り合い(三姉妹親父さん・地元F軍団・マカロニさん・キャベツ二号さんら)とも合流し、表彰式を観賞。男子ロングの優勝は横山忠男さん・2位には栗原孝浩さんでともに地元群馬では有名なトレイルランナーの方々。お二人には縁あって僕ら素人ランナーもいつも応援している。
女子の年代別では千葉のさすらいさんも見事入賞。OSJシリーズに引き続きすごいすごい!
<タイム> 適当 トレランではラップタイムはあまり意味ないのよ
スタート→10キロ地点(西みかぼ)1:40→みかぼ森林公園2:50→杖植峠3:50→持倉集落4:30→安取峠5:10→ゴール6:04
<備忘録> 自分自身の反省点を徒然
(1)レース連戦の疲れは否めないか。10月中旬からレースのほかにもトレラン試走やカモシカ登山など体を酷使することが多すぎる。でも誰に強制されるわけではなく自分で好きにやっているんだからこりゃ自業自得。
(2)神流に出てから翌週にまたレースが控えているという世間離れした人(?)が多い。11月はマラソン全盛なので、22日のつくばマラソンや23日の大田原ほか、河口湖やら平然とフルマラソンを走るという人が何人もいた。どうかしている。あっ、自分も大田原が控えているんだ。まいったな。
(3)今回は前半の急登から林道にかけてでペースダウンしてしまった。原因を考えると左足首捻挫により足のバランスが狂っている(右足に負荷かかる)のか、スタート前のストレッチ不足も心当たりあり・・・。捻挫部位はサポーター(リガード)のおかげであまり気にすることなく走れた。
(4)スタミナ不足。この日は車中泊後で朝食を軽視した感あり。40キロは長かった。
(5)林道走りによるモチベーションの低下。緩やかな登り坂のロードやダートがこれまた嫌いですぐに歩きたくなってしまう。この点、歩くかどうかはともかく、あまり得意としない人は多いみたいで桶川師匠グループから情報を得た。兄弟子の新座のウルトラさんは逆に好きで得意とするらしく、「ちょっとお先にいってきます」といってスパートしたきり結局ゴールまで追いつけなかった。
(6) やっぱり気軽に撮れるデジカメがほしい。先日小さいのをなくしたので今回はやや大きめのデジカメ持参したら胸ポーチががんがんゆれてダメ。そういえばごうやす氏はさすがで携帯電話くらいのデジカメで盛んにパチリ、会話中も自分撮りしていた。なるほどあれだけ充実したブログはこうした努力から生まれるのか、脱帽。(最近ブログ更新はパタリと止まっているのは残念だが・・・)
(7)レースに参加する度に仲間が増えていくのは楽しいことで素晴らしいこと。富士登山競争の常連の人やウルトラ・フル経験豊富な方も多く、自分はまだまだひよっこ。目標は高く、でも日々のトレーニングも積み重ねないといけない。
(8)ニューハレテープのカラーバージョンを初めて使用。これはまだ市場には出回っていない(のは群馬だけ?)のか、あまり入手できないのだが、たまたま高崎のホシノスポーツで見かけて青を購入。ちょっと速そうに映るかな。
<勝手にレース講評> 本当に勝手です
A 町の人の応援は本当に励みになった。「町主催」「町民がボランティア協力」というところで町の方もとても熱心に運営してくれた感じ。鏑木さんの狙いのとおり、市街地発着だったのでなお盛り上がったのかもしれません。
B 距離表示を残り距離なども記載されると精神的にはうれしい。特に後半。
C レース後半部でミドルとロングが重なるので、ゼッケンを前後2枚にすると後ろから走ってくる人は追いやすい。こういうレースもいくつかある。
D レース開催時期は今年は狩猟解禁日と重なってしまい大騒ぎになったとのことですが、ズバリ10月の中旬から下旬は他のレースが少ないのでどうでしょう。紅葉も赤久縄あたりは見頃でした。それか5月のこいのぼりの頃は鯉々アイランドからこいのぼりがたくさん見られるはずなので、4月中旬から下旬はどうかな。
E 登山道ではないのでピンクテープは試走時にもとっても助かりました。
F 期間限定地域通貨「かんな」はとても好評でした。僕は1000かんなちょうどでイチョウ酎を購入しました。お釣りが出るとはいえ、1000かんなちょうどの商品があると結構売れたような気がします・・・。
G 林道にひっそりと覆面パトカー、山中に陸自隊員、国道で警官検問、林道で消防団巡回、セスナ機で警戒放送・・・・なかなか経験できない体験でした。
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長文の上さらに翌日の読売新聞(群馬版)から追加 >
神流トレイルラン無事開催
狩猟初日 200人警戒、35人不参加
狩猟解禁日と開催が重なったトレイルランニング全国大会「神流マウンテンラン&ウォーク」が15日、西御荷鉾(みかぼ)山など神流町内の山間コースで開かれた。自衛隊などが警戒する中のレースだったが、338人の選手が健脚を競い、心配された事故もなかった。
トレイルランニングはランニング用の服装や靴で山道を走る競技。狩猟解禁日のこの日は、多くのハンターの入山が予想されたため警察、消防、自衛隊など約200人がコースや周囲の山々などで警戒にあたった。
同町によると、約35人が狩猟解禁日の不安から、参加を取りやめたという。宮前鍬十郎町長は「事故がないことが一番。町全体の活性化につながるいい大会になった。来年は日程を十分配慮したい」と、ほっとした表情で話した。
藤岡森林事務所によると、コース周辺で、ハンターの姿は確認されなかったという。
ミドルクラス女子の部(20キロ)で優勝した横浜市の井出弥穂子さん(36)は「自衛隊の人や多くのスタッフが見え、逆に安心できた。まさか優勝できるとは思っていなかったので、最高の思い出になった」と笑顔を見せていた。(2009年11月16日 読売新聞)
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この記事は個人的な山行・ランニング記録としてまとめています。特にコースタイムやルート状況の記載には個人差や主観がかなり含まれますのであまり参考になりません。
エスケープルートの確認、最低一晩は夜をこせる装備(衣類・ヘッドランプ・食料ほか)の持参が必要な山が多く含まれています。
気象条件や目的・個人の力量・経験にあわせて必ずご自身で綿密な計画を立ててください。最近、ネット情報に頼りすぎて遭難に至るケースが増えているようです。(『山で死んではいけない』74ページ,山と渓谷社,2009.9)
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この記事へのコメントは終了しました。
コメント
まぁ開始直前から、いろいろとありましたが終ってみれば良いレースでしたね。これから先2回3回と回数が重ねられれば良いですね。
投稿: 三姉妹の親父 | 2009年11月18日 (水) 22時08分
sugorokuさんお疲れ様です。ロング試走時、西みかぼ山で声をかけてもらったものです。sugorokuさんにコースの状況を教えてもらったのであの時ロングコースを全部回ることが出しました。ありがとうございます。
神流で頑張りすぎたため、大田原の出場はちょっと微妙なところです。
またどこかの大会、コースでお会いするのを楽しみにしております。
投稿: ACバンタム | 2009年11月19日 (木) 22時58分
三姉妹親父さん>
町全体が盛り上がっていて活発な若い人達があんなに集まるのは珍しいんでしょうね、町の人も一緒になって楽しそうでした。
そんなわけで、僕は昨日休みだったのでうちの人とまた神流行ったんです…。持倉まで行きたかったんですが、城峰と桜山の冬桜が回れないとまたもめることになるので鯉々アイランドと老人ホームの辺をまわり帰りました。
ACバンタムさん>
はじめまして(厳密にはそうではないか)。確か埼玉の…翌週大田原出るという…。試走でロング完走とはすごいです。「うえはずっと林道ですから」という情報は間違いでしたね。僕もレース当日に林道から山道に誘い込まれる度に「しまった」と動揺しました。
僕も10月末からの連戦と神流で疲れてしまい、大田原確かにきついです。特に足が調整できません。出ることは出る予定ですが、ベスト更新どころか、制限時間の4時間も危ういかもしれません。
バンタムさん…でましょう!知人でも同じようなハードスケジュールの人も結構います。世間的には「無茶な人」でしょうが…。
ACバンタムさん> あとから補足追加
失礼ながらリザルト検索すると、ほかのレースですが無茶苦茶優秀じゃないですか!恐れ多い・・・・。弟子入りしたいくらいです。
どこかでお会いすると思いますのでまた宜しくお願いします。
投稿: sugoroku | 2009年11月20日 (金) 08時07分
sugorokuさん、お疲れのようですが大田原がんばってください。こちらは今年の最終レースであった神流で完全燃焼して疲れと走る意欲がちょっと減退している感じです。これから来年の計画を立てて、モチベーションを上げていきたいですね。
投稿: まーくん | 2009年11月22日 (日) 21時18分
第一回目も良い天気だったんですね。知人も多数登場し、タイムマシンに乗ったみたいです。
投稿: | 2016年11月26日 (土) 21時47分
上記投稿は、私でした。
投稿: ナカ太郎 | 2016年11月26日 (土) 21時51分
>ナカ太郎さん
こちらにもどうも…懐かしい、黄色のOSJ志賀野反Tシャツ姿で若くてびっくり。振り返ると面白いですね。引き続き山で遊びましょう。
投稿: 山系ENJOY@久しぶり | 2016年11月26日 (土) 22時21分