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2010年6月27日 (日)

谷川岳主脈縦走

数年来温めてきた夢の「谷川岳主脈縦走(日帰り編)」はかなり衝撃的な一日だった。このコースは行程が長く、通常は避難小屋泊まりの1泊コース、日帰りとなると行動時間が驚くほど長いので夏至直後の明るい時期を選んで計画したい。結局、昨年は雨で中止、今年も結局雨模様の空を気にしながらの山行になった。

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午前3時土合に到着、谷川岳登山センターで登山届を出して3時半にヘッドランプの明かりを頼りに西黒尾根へ入山。小雨で早々にレインコート上下を羽織る。

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西黒尾根を登り始めて最初の鉄塔あたりから雨が強まる。このあたりから大誤算発生、今日はリュックに3.5リットルの水ほか食料・グッズを入れているのでいつものトレランよりかなり重い。そして寝不足とここのところ調子が悪い貧血気味の体調を気遣いながら、やっとのことで尾根道へ。

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多少の雨は想定内、最悪、山頂を踏んで肩の小屋を経由して天神尾根、田尻尾根へエスケープすることも視野に入れて進む。約2時間で尾根(ラクダのコル、巌剛新道出合)、その後、雨で滑る岩場を慎重に登る。

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一枚岩やザンゲ岩あたりまでくると雨も小降りになり、近くの山々のガス模様もきれいで、そして高山植物もたくさん迎えてくれる。

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7時過ぎ、雪渓の先にケルンが見えてくると谷川岳山頂も近い。周囲には誰もいない。この辺からは少し体調もよくなって来たので、万太郎・仙の倉・平標への縦走を決意。親父が数十年来温めてきた日帰り縦走路でもあり、少し遅めの「父の日」のプレゼントだから意地でも成し遂げようかと…。

※ここまでもこれから先も親父がへばることは一度もなく、常に先行だったので我が父親ながら「かなりの健脚か変人には違いない」と見る。

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肩の小屋あたりは花々がきれい。これで 景色が晴れていればなぁ。自分は谷川岳南稜の縦走路の広大な景色が好きなんだが・・・

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※ちょうど一年前に撮った写真。

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谷川岳トマの耳の標高が1963Mで、その先に続く縦走路はオジカ沢ノ頭で一旦1800M弱に下がり、万太郎山で1954M、毛渡乗越で1588Mとぐんと下がった後、仙ノ倉山2026M・平標山1983Mへと続く・・・。

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谷川連峰縦走の楽しみ、「避難小屋探訪」。オジカ沢避難小屋を発見。

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ほとんどガス続きで、雨も身に堪えるほどではなかったので意外とコンディション的には悪くなかったのかもしれない。途中、何度か晴れ間があり、縦走路の展望や湯沢や上越国境の山々の景色もよく、心が救われる感じもあった。

オジカ沢で今日初めてガスが晴れ、縦走路が見渡せ、湯沢の町も見える。ずっとガスの中を来たので、ここで素晴らしい景色を見られただけでも気持ちも晴れる。

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縦走路は地図や標高差だけ見ると意外とアップダウンも少ないのかなと思うが、やはり縦走は縦走、距離感が多少麻痺する。オジカ沢・大障子と経て万太郎まで3時間、万太郎から仙の倉までさらに3時間、仙の倉から平標・そしてゴールの元橋登山口まで2時間半かかる。

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避難小屋探訪=大障子避難小屋を発見。小屋の周りに昔のゴミとともに人糞多数あり・・・踏みそうになる

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目標時刻10時ちょうどに無事に万太郎山へ到着。ここでマイカメラが壊れる。おそらく懐で雨に打たれた続けたためか・・・やむを得ず親父カメラに切り替え。

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万太郎まで来れば残すは仙ノ倉と平標だけなので、もう先は見えてきたかと思いきや、マップを見ると仙ノ倉まで2時間半以上とある・・・。すぐそこに見えているはずなんだが、一旦毛渡乗越で1580Mくらいまで下った後に再び400~500メートルエビス大黒・仙ノ倉を目指さなければいけないのがきつい。

避難小屋探訪 越路避難小屋と小屋から見渡すエビス(左)と仙ノ倉(右奥)

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毛渡乗越の分岐・・・ここから赤谷川・川古温泉向かう登山道があるというが、道は明瞭なんだろうか・・・尾根から見た限りではあまりという感じ。

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肩の小屋から8000メートルまで歩いた。「マツダランプ」製の道標は親父が若い頃(もう40年以上前)から立っているらしい。マツダランプは東芝の前身とか・・・

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避難小屋探訪=エビス大黒避難小屋 中はこんなもんです

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今日最後の大きな登り、仙ノ倉2026Mへ。お花畑もきれいだが、この辺になるともう体がフラフラで意識が薄れる。足がつるとかそういう疲労ではないんだが・・・。

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似たような花も実は違う品種だそうだが・・・すっかり疲れて判別不能。しかし冷静によく見ると花びらの数も花粉のところもぜんぜん違うな。

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仙ノ倉山頂まで来るとハイカー多数。仙ノ倉まで来てホッとでき記念撮影も多少笑顔。

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平標~仙ノ倉間は花もきれいでこちらから登る人が多い。以前にも2度来たことがあり、ニッコウキスゲがきれいだったことが印象的。今日はキスゲにはぜんぜん早い。

チングルマ

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平標山にて…疲労蓄積によりガックリ 

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平標からゴール地点の登山口までは松手山ルートと平元新道と二通りであるが、なんとなく松手山を選択。結構急な下りがまた全身に堪えた。

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松手山ルートの目安点、巨大鉄塔を拝む。深山のこの建造物には鉄塔熱中人もきっと喜ぶだろう。

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鉄塔まで来ればあと30分弱・・・。樹林帯の中の谷川らしいトレイルを楽しみながら下る。下まで来るとツツジもきれい。次第に別荘地やスキー場も見えてきて、15時30分、ちょうど入山から12時間で無事にゴール地点にたどり着く。

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三国峠から湯沢駅へは路線バスに乗り完全爆睡・・・。湯沢駅から土合に向かう上越線は本数少なく構内で怪しく爆睡…。

ようやく18時半ころに土合駅まで戻るも、そこから車までまたヘコヘコと歩き、19時すぐにようやく車に戻る。帰りの高速ももちろん爆睡…。

父の日の親孝行どころか、同じ距離を歩いて来て疲れているはずなのに何の文句も言わずフォローしてくれる親父に感謝の一日。これが他人だったら、間違いなく友達無くす一因となるな・・・。

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<所要時間> わずかな休憩時間含む

土合駐車場3:30→登山センター・西黒尾根登山口3:40→ラクダのコル5:40→サンゲ岩6:40→谷川岳山頂トマの耳7:00→肩の小屋7:10→オジカ沢の頭8:05→大障子避難小屋8:50→万太郎山10:00→毛渡乗越10:50→エビス大黒ノ頭11:55→仙ノ倉山13:00→平標山13:40→松手山14:30→巨大鉄塔14:50→平標登山口15:30

<振り返り>

※最初の登りが一番きつかった。体が慣れていない未明に急登を登ることの辛さを実感。西黒尾根でも巌剛新道でもきつさは変わらない。ロープウエイの始発時間を待つことはその後の制限時間に大きな制約となるし、第一、先達がロープウエイ使用を認めないので・・・。

※このコースは通常最低1泊ルートなので日帰り縦走する人の話はあまり聞いたことがない。エスケープなく綿密な計画が必要で要注意。トレラン練習で向かった方のサイト記録を見ても10時間半くらいかかり、自分の12時間の中でもなかなか時間短縮のすべは考えられない。いずれにしても日が長い限られた時期向けか。

※カッパ着てサウナスーツ風に加え、体調不良で食事のど通らず体重が2.5キロ減となった。無事に済んだからいいが、ハンガーノックにでもなったり脱水になったらと思うと反省。

※最近の微妙な体調不良は懸念中。

※高山植物きれいでリフレッシュといきたいところだが、なかなか余裕なく、とりあえず写真におさめた。毎年花の名前を覚えるが一年たつと完全に忘れるので一年周期で復習の繰り返し。

※バスの時間、電車の時間、とりあえず早め早めの行動で無事に車に戻れて一安心・・・。夕暮れの土合駅は風情があってマニアにはたまらない。

※縦走後、トレランのような筋肉疲労はほとんどないが、全身倦怠感、腰痛首痛など不調多い。おまけに先週の喉風邪が悪化して、翌日、再度耳鼻科にて治療受ける。服薬で済まず、静脈注射まで・・・。まったくもって自業自得の繰り返しだが、予備日で一日月曜休みでよかったと思う。

この記事は個人的な山行・ランニング記録としてまとめています。特にコースタイムやルート状況の記載には個人差や主観がかなり含まれますのであまり参考になりません。

エスケープルートの確認、最低一晩は夜をこせる装備(衣類・ヘッドランプ・食料ほか)の持参が必要な山が多く含まれています。

気象条件や目的・個人の力量・経験にあわせて必ずご自身で綿密な計画を立ててください。最近、ネット情報に頼りすぎて遭難に至るケースが増えているようです。(『山で死んではいけない』74ページ,山と渓谷社,2009,9)

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特に「谷川岳主脈縦走」の日帰りはエスケープルートに限りがあり、尋常ではありません。避難小屋は充実しているのでいろいろな事態を想定して無理なく出掛けたほうがよさそうです。

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コメント

お久しぶりです。

谷川主脈縦走、反対ルートで明日挑戦してきますよ。

無事歩ききれればいいんですが。。。

頑張りまーす!!

投稿: たあたん | 2012年9月 8日 (土) 17時02分

>たあたんさん
ご無沙汰しています!谷川岳南陵、平標からですね?お疲れ様です。
今日は避難小屋泊かな?
今日明日と天気もちそうですので、目いっぱい楽しめそうですね!お気をつけて!!!

投稿: 谷川系ENJOY | 2012年9月 9日 (日) 21時12分

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