熊に遭って絆深まる
『新明解トレラン用語辞典』 (山系編) 2010.7.18 緊急追記
◆熊に遭って絆深まる (くまにあってきずなふかまる)
雨降って地固まる(あめふってじかたまる)風に読むべし
=「熊に出遭ってランナーが結束して『第3セクション』の急場を凌いだの意」って・・・?
野沢温泉トレイルに参加。標高差4100メートルを特徴とする初開催のレースだが、レースで初めて使ったストック(登山用)の効果もあり、脚の疲労少なく体力温存、最後まで比較的頑張れたので自分としては満足。総距離65キロ/14時間12分。後半2時間のナイトランもまた楽しい。ナイトラン練習しておいてよかった!
コース的には5月の道志村トレイル43キロのほうが厳しかったように感じた。所詮ストックニかなり助けられているんだけど。
長くなるので詳細は後日載せます。
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さて、冒頭の
◆熊に遭って絆深まる (くまにあってきずなふかまる)
写真はレース中第三セクション「ゴンドラ長坂駅」の下のゲレンデ走行中に突然で目の前に現れたクマです。2010/7/18 15:58
野沢温泉トレランは参加者250名程度と少なく、距離も65キロなので、必然的に集団走行が少なく、完全に一人になることが多い。特に、第2セクション、第3セクションは基本的に単独走行となる。
野沢シャンツェ(スキージャンプ台)を過ぎた辺りのゲレンデで青空とゴンドラと草むら・樹林の景色がきれいで立ち止まって写真を撮っていたら、なんとなく視界に黒い影が入り込んできた。
「あらまぁ黒猫ちゃんね・・・」とカメラから目を離したら、猫どころじゃない、30メートル先に立派なツキノワグマ!、いや迫力つけて20メートルか。
こちらを向いて目と目が合った瞬間。クマを目視してから自分でシャッターを押したつもりはないので、何気なくゴンドラを撮っていた写真の1枚に偶然入り込んでいたものだと思う。
この記事を書く、たった今、カメラの記録を取り込んだら撮れている事を発見して、振り返る分には非常に楽しい。ただ、「その瞬間」はかなり焦った。クマと目が合ったので自分はわずかな瞬間にクマ撃退の方法から30余年の人生のことまでいろいろ考えて・・・。
今日はたまたまストックを持っていたのでいざとなったらこれで闘う覚悟ができたところで、クマは森の中に帰ってくれた。(というか、下のゲレンデ方面なんで、それはそれでその後も心配が残るんじゃないか?)
その後、引き返すわけにも行かず、下のゲレンデに逃げた(と思われる/実際にはまだ道端にいるかもしれない)クマを気にしつつ、ストックをたたいて音を出し、大声を上げながら写真奥の樹林帯に入るコースに進んだ。
ここで、後続集団の安否が気になり、熊出没を伝えようにもすべなく、せめて大会本部に電話しようにも携帯はすでにバッテリー切れ。
そうこうしているうちに、後続ランナーさんが追いつき、自分を入れて5人の集団が出来た。クマ出没のことを話して信じてもらい(まるで何とか童話の世界か・・)、しばらく不安なので一緒に進ませてもらう。
宮城の方や横浜の方、栃木の方、関西の女性など、第3セクションの前半を同じようなペースで走らせてもらい、約1時間、灯篭木峠チェックポイントまでの間、トレランの話やレースの話、出身地方の話など、なかなか世間の人には「はぁ~?」といわれて変人扱いされてしまうようなマニアな情報交換をすることができ、レースを通じて本当に充実したひと時。
その後も女性には第4関門まで引っ張って行ってもらい、栃木の方は後半10キロの下りトレイル(日没後のナイトラン)を併走していただき最後は同着でゴールし、長旅を遂げた記念すべきレースとなった。
考えてみれば、クマに出遭っていなければ一人ダート林道やスキー場ゲレンデを軽く走ることもなく、トボトボと歩き続けていただけに過ぎない。トレラン仲間との絆が深まったのはクマに感謝!だと思う。
その他、レース中にザックの印しを見て「ヤマケイエンジョイ?ブログ?」と声かけてくれたり、四方山話に付き合ってくれたランナーの皆さんにもこの場を借りて感謝します!ありがとう!
<おまけ>
※大会主催者擁護のために言うと、今レースでは「クマ出没地域」にかかることを事前・当日レース中も再三再四アナウンスや掲示して注意喚起していた。
クマ鈴持参や遭遇しないように配慮して走行するなど、参加者も十分注意できることもあり、皆さんもかなり気を使っていた感じ。
そういった地域でのトレランが危ないとか、一概にクマは危険だから駆除せよとかいうよりも、やっぱり元々のクマの生息地域に入り込んできたことは大きな原因なんだろうね。「共生」「共存」・・・ 永遠の課題か
※今回のように遠目(といっても20~30メートル)ならともかく、「ばったり遭遇→クマ錯乱状態→人を襲う」だけは避けたい。クマ鈴・大声とか必須。第一、クマの走力は相当速いというからこの距離でも向かってきたらアウトか。
※クマに遭ったのは2度目
2006年8月、尾瀬至仏山に登った後、山ノ鼻の尾瀬ケ原の木道にて熊に遭遇の図(ぬいぐるみみたいですが・・・)尾瀬ヶ原の何でもないところ。この年も熊の目撃情報が多かったと記憶 。
※常日頃から動物に嫌われがちな自分にとって、クマよりも恐ろしいのは義理の猫「ポンネコ」。ここのところ梅雨明けの暑さにやられてダラダラした生活らしい。今日も珍しく闘争心を見せない、これはラッキー。
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コメント
関西の女性maziです。
レースでは引っ張ってもらって,いろんな話を聞かせてもらいありがとうございました。
本当に熊出現のおかげで集結して楽しい時間を過ごせました。
レース後には仲間の方にも迷惑かけて温泉に連れて行って頂いて本当に助かりました。
もうトレイルにもはまってしまいました。
またどこかのトレイルでお会いしたいです。
投稿: mazi | 2010年7月21日 (水) 17時44分
先日はおつかれさまでした!
横浜から参戦してましたナオキです。
自分もストックのおかげで翌日以降の疲労が
いつもより断然軽いです!
それにしても、これは大スクープ写真ですね!!
#もし差し支えなければmixi日記に転載させていただきたく^^;
実はあの後も、熊とのニアミスがありました。
前方の方が、直接目撃したわけではないのですが、木が不自然な
揺れかたをしてたそうです;;
ナイトトレランが始まる頃でしたので、あの関西の女性の方と
しばらくペアで行動してました。
終盤は5人くらいのパーティーが出来て、賑やかで楽しかったです。
セクション2では投げやりになってましたが、セクション3は、
あの遅い時間だったからこそ刺激的な体験ができたんだと思います。
レースということを忘れて、楽しいツアーでした。
次回は、ご一緒できるのは神流でしょうか!?
その時は、またよろしくお願いします!
投稿: ナオキ | 2010年7月21日 (水) 19時47分
>maziさん
年代別入賞おめでとうございます!すごいです!
実は走りながら隣で大事そうにストック抱えていた自分が恥ずかしい感じでした。
充実したブログも拝見しましたがトレランも絶対に続けたほうがいいですね~!
またどこかでお会いすると思いますが、とりあえず、氷ノ山50マイルだけは勘弁・・・。
>ナオキさん
経験豊富でトレランセミナーのことやレースのことなどなかなかマニアな情報をいただきありがとうございました!きっとまた会うでしょう。たぶん同じくらいのペースですよ。
勝手に熊が写り込んだ写真は貴重ですかね?某新聞あたりに載るかな?mixiも使っていただいてかまいません。
ただ、自分もブログに載せるのを迷ったのですが、ある種の否定的な人たちからはトレランや大会批判の材料にならないかと心配します。
まぁ今だから振り返って楽しいのですが、熊対策はやっぱり必要なんでしょうね。
思ったより野沢の疲労も軽いんで、明日夜から富士山登って登山競争応援してきま~す!重症→山系中毒の域ですよ。
投稿: 山系ENJOY | 2010年7月21日 (水) 20時18分