稲包山(いなつつみ)
平日休みで久しぶりに山登りへ。
実は10月2日の上州武尊山スカイビュートレイル以来、なんだかすっかりお腹一杯になってしまい、何となく山に向かう気にならなかった・・・(下り頑張ったせいか多少大腿四頭筋の疲労が残ったのもある)
加えて、あの日に紅葉もかなり見られたので、新聞・テレビで伝え聞く山々紅葉のニュースも軽く聞き流す感じだったなぁ・・・
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で、今日は上越国境のぐんま百名山「稲包山」(1597M)へ。以前から気にはなっていたが、なかなか山頂踏めなかった山・・・今日もいろいろあった。
◆下見の様子 まさかの三国川ダム
※越後の山の下見ついでに「赤沢スキー場」を見た(<おまけ>に記載あり)
=第一部=
予定では三国トンネルの群馬県側「上越橋」から三国峠「三国権現」を経て、稜線から稲包山に向かうマイナーコースを選び入山する。地図を見る限りでは片道3時間予定・・・ネットの山行記録でも歩いている人が意外と少ない様子で一抹の不安もあるが、稜線なんで大丈夫だろうと考える。
視界、天候はまずまず。ただ、入山時刻が9時半と少し遅いのが気になった。
三国峠までは実に25分くらいであっけない。三国権現をお参りし、右を見上げれば右手に三国山への登山道が続く。茶色く紅葉していてハイカー数人がよく見えた。三国山は物足りない感じもあるが、視界よく高山植物がきれいな時期はなかなか面白い山で有名らしいが、今日は思ったより人が少なかった。
左手(西)に分ける縦走路に入る。
柏崎からの送電線が張り巡らされ、巨大な鉄塔が目立つ。本線・支線とかいろいろあるようで、建造物は嫌いではないので、興味津々でキョロキョロしながら歩く。
しかし、整備されているのは鉄塔巡視路のみで、その先の登山道に入ると、いきなり高い藪が続き、早々と心折れて不安になる。稜線なので道はまっすぐしかなく、踏み跡もあるので道迷いする感じではない。
振り返ると三国山のガレ場が見事で、下には上越橋の我が愛車と国道17号がよく見える。
とりあえずの目的地「長倉山」についたところで考え直す・・・今日はここでやめよう・・・と。その先に稜線と送電線鉄塔が続き、目指す稲包山であろうピークもわかる。が、時間的にちょっと遅いのと、何より単独なので藪漕ぎの連続は精神的に参る。
しかも、稲包山からまた戻ってくるのか、赤沢スキー場方面に下るにしてもそちらも行ったことがないので先がわからず・・・。というわけでここでやめることにした。
左奥に見えるのが稲包山・・・たぶん 結局次回山行のための完全な下見だった。
引き返す途中、当然こんなところに来る人はいないと思いきや、おじさんに会う。朝一番で三国街道(旧道)から「唐沢山」に登り、まだ時間があるのでぶらり長倉山まで行ってみると言う。
自分が稲包を諦めたことを話すと、「こっち藪すごいね、赤沢なら最短コースだから今からでもいけると思うよ」と助言してくれて、(内心、自分もそれを決めたところだったので)足早に三国峠・三国トンネル駐車場への下山を急いだ。トンネル出口で轢かれないように左右確認だ。
=第二部=
車で法師温泉まで戻り、赤沢スキー場分岐から狭い車道を「ムタコ沢」沿いに走らせて登山口を目指す。
ここは以前の下見ドライブでも車道の藪が深くて車で入るのを躊躇したため、案の定登山口がなかなか見つからず、ダート林道を行ったり来たりしながらして、ようやく青い先行車両のおかげで駐車場発見。
このコース、登山口といっても地図にはコースとして表記はなく、巨大鉄塔送電線の巡視のために整備された道を勝手に上るだけ・・・。ただ、行ってみるとなんのことはない、非常に整備された道で、稜線の「登山道」の比ではない。ただし、基本的に急登。
公の標識は「ない」が、独自にハイカーが置いたもの、(よいのか悪いのか)適当に注意書きしたものを見つけながら進む。よく見ないで進むと整備された道が巡視路でイマイチのほうが山頂方面だったり・・・の繰り返し。
どう見ても直進したくなるが、実際は「←稲包山」と誰かがサインペンで書いた。
駐車してあった先行の方にも会い、先の様子を聞き、2時間で山頂に着いたと聞けたので1時間半を目処に急登も頑張る。熊の心配は耐えないが、できる策を駆使してジャラジャラ鳴らしながら歩く。
展望のよい稜線のまたまた鉄塔下で正面に稲包山を望む。先ほど諦めた長倉山近くから続くよ送電線。
標高1500Mあたりから南面の紅葉がきれいになり、眺めながら南を巻くと、四万から来る正規の登山道に合流する地点に出る。
が、面白いことに、鉄塔巡視路を分けて登山道に入った途端、藪が深くなってきた。ということは、電力会社が定期的に藪を刈り払ったり、巡視路整備を怠らないということか・・・ご苦労さまです。
出合いから山頂までがそこそこ距離があって、上りも踏ん張りながら最後のピークを目指すと、20分弱でようやく稲包山山頂に到着。
山頂は360度の展望で、あいにく霞んでいて絶景とは言いがたく、紅葉も何だか感動するほどではないが、達成感味わえる山頂だった。
ずっと歩いてくるはずだった稜線はくっきり・・・道のり長そうで、藪漕ぎっぽい・・・これは引き返して正解だったな。
ちょっと休んでいると、遠くからラジオの音声・・・先行の方の話では山頂で新潟県側(三国スキー場)から上ってきたハイカー二人?と会ったといっていたので、下山の人か・・・。
いや、三国峠からの稜線上に人が見える!長倉山手前ですれちがったおじさんじゃないの!え?ちょっと長倉山までじゃなかったの?自分が引き返して別の登山口まで巻いて難なく山頂踏んでいる間に藪漕ぎ縦走らしい・・・何だか味噌っかすみたいな自分。
健脚おじさん山頂直下に現る。
その後、再び出会った健脚おじさん(ゴム長靴おじさん)合流して意気投合し、話が弾みすぎで時間が過ぎてしまったので、来た道を往復するらしいおじさんに無理やり下山コース変更をお願いして赤沢まで一緒に下り、最後三国トンネルまでは車で送らせてもらった。
山系の超マニアックな話に興奮し、下りの記憶はほとんどなし・・・感謝!
<所要時間> 時刻
=第一部=
上越橋9:40→三国権現10:10→長倉山10:25→上越橋10:55
=第二部=
ムタコ沢の駐車場11:35→稜線第一鉄塔?12:05→稲包望む第二鉄塔?12:25→四万登山道出合い12:35→稲包山12:55~13:40→駐車場14:40
<おまけ>
①今更ながら、単独ではなければ三国から稲包の藪漕ぎも楽しめたと思う。
②旧街道歩き・水準点&三角点探しを兼ねて山歩きしている健脚おじさんは埼玉の白岡在住の方と聞いたが、埼玉のことよりも近県のことも何でも知っていた。「ぐんま100」「栃木100」「会津100」「信州100」「山梨100」にも驚くほど精通していて、聞くことは全てが興味深かった。「街道歩き」は奥が深いようで、すごい刺激的だ。
ちなみに自分から探ったキーワードは丹後山・兎岳・大水上山・鳥ノ胸山・御正体山・今倉山・竜ケ岳・雨ケ岳・御飯岳・毛無峠・天丸山・平ケ岳・皿伏山・戸隠山西岳?・・・・などなどでそれぞれ的確に面白い話が返ってきてすごい。
③おじさんから吸収したこと・・・ラジオはかなり遠方でも響き熊対策効果的、ゴム長靴は山ヤおじさん達に根強い人気は周知のとおり、地図の点線を好んで歩くマニア多し、多少のことには動じるはずもない・・・など見習うところ多し
③念願の稲包山に登れてプチ感動。トレラン練習用の周回コース下見も兼ねたが、稜線の藪のことと、赤沢林道や法師温泉周辺のコースは1周結ぶのが意外と工夫が必要。
④ムタコ沢のコースは鉄塔巡視路を利用して登山することは問題ないようだが、巡視路に迷い込まないよう自己責任。迷い込んでも結局次へ次へ続いて正規登山道に出るらしいが、不明。
⑤車の運転にある程度の思い切りがないとムタコ沢駐車場まで辿り着くことのほうが難儀のような気がする。
⑥紅葉があまり感動するほどでなかったのは何故か?気候か、タイミングか、自分の気持ちか・・・?三国国道に飛び出す多数の野猿との接触事故も注意みたい。
この記事は個人的な山行・ランニング記録としてまとめています。特にコースタイムやルート状況の記載には個人差や主観がかなり含まれますのであまり参考になりません。
エスケープルートの確認、最低一晩は夜をこせる装備(衣類・ヘッドランプ・食料ほか)の持参が必要な山が多く含まれています。
気象条件や目的・個人の力量・経験にあわせて必ずご自身で綿密な計画を立ててください。最近、ネット情報に頼りすぎて遭難に至るケースが増えているようです。(『山で死んではいけない』74ページ,山と渓谷社,2009,9)
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コメント
稲包山登頂おめでとうございまーす。
三国のあのあたりは藪がすごいんですね…。
埼玉のおっちゃんスゲェェェ。。。
笠ヶ岳もそろそろですかね?3度目の正直。( ̄ー+ ̄)!
投稿: 新gets | 2011年10月14日 (金) 09時33分
>新getsさん
遠景で見る限り三国の藪はそれほどではない様子でした。三国も思ったよりハイカー少なくて、お昼前にぶらり来た人が登っている感じでした。
笠が岳・・・そのとおりです。今年秋には3度目できちんと登る予定です。湯の小屋温泉からの登山道があり情報収集中・・・熊が心配なのでマシンガン(トーク)の人に同行してもらえると助かるのですが。
とはいうものの、健脚おじさんと話していて、そんな弱気な自分のままでは「屁」みたいな山登りしかできないことが判りました。もっと攻めに転じないと精神的に強くならないみたい。
※新月ブログ覗いたら・・・至仏山行ったんじゃないですか!しかも笠への分岐までご丁寧に・・・。しかし、距離がんばりましたねぇお疲れ様です。富士見下登山口は穴場です。
投稿: 山系ENJOY | 2011年10月14日 (金) 22時56分