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2012年3月12日 (月)

『ランニング登山』だ!

ベテラン女史 : 「山系さん 『ランニング登山』知ってる?K木さんも弟子のスカイランナーさんも刺激を受けたらしい本だけど・・・」 book

山系 : 「ええ、もちろんですとも。知る人ぞ知るマニア本と噂ですが・・・」 coldsweats01 

とは言いつつも、実際に読んだことはなかったので、早速、図書館で借りて来て昼休みに食い入るように乱読だ。

ちなみに、図書館では閉架書庫に人知れずひっそりと眠っていて、リクエストで職員さんが拾い集めてきてくれた。で、その読書感想文だ!

                           

『ランニング登山』

下嶋渓・著  山と渓谷社  1986年 ←ナント25年前だよ!

当時の価格980円 → 絶版 → Amazon中古 8,000円~9,500円(おい!)punch

※各地の公共図書館で結構所蔵されている(らしい) 

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トレイルランニングの先駆的名著か、単なる独善極まりない一冊か、確かに見解が分かれるところであるが、素直に読み物として面白いし、時代は変わっても、山に親しむ人たち・自分の姿勢にも参考・刺激となることは間違いない。

例えば・・・ あまり引用すると著作権侵害・ネタバレになる sweat01

◆巻頭あいさつ文 「山登りに定義はない」

「あなたの趣味は?」と問われて、「山登りです」あるいは「ランニングです」と答えているうちは相手の反応も穏やかだが、それらをまとめて「山を走ることです」 と答えると様子はかなり変わり、「山って走るものなのですか?」と変人、奇人扱いされ、話の途切れるのが落ちである。

→確かに、これ、心当たりがあるゾ。その楽しみや過酷さを熱く語っても世俗の人になかなか通じないから、自ずと深く触れないようにしている。いつの時代もおんなじことだ。

     

◆「ランニング登山Q&A」より ←止まらない毒舌オンパレード

Q 長い急登を懸命に走っていたがもう限界にきていた。そんな時に上から声援を送られたが、頑張り続けるべきか、無視して休んでしまうか。

A もちろん断固頑張るべきだ。ランナーたるもの人目がある時は歩いてはならない!しかもなるべく呼吸を止めてさも楽しそうに走り抜ける。見えなくなったところでひっくり返ればよいのだ。

→ごもっとも。見栄っ張りというか、頑張る自分大好きは共感できる。run

筆者は意外と「人にどう思われるか」を気にする性格らしく、筆者もちょっと意識して取り上げている「比叡山の千日回峰行」や大峰山中の「大峰奥駆け」の行者たちとは、結局のところ、スタンスが大きく異なると思う。

Q ビールに疲労回復の効果はあるか。

A アルコールによる軽い麻酔作用で解消したような気分になるだけで、酔いが醒めれば現実に引き戻されるから、禁断症状を起さぬように飲み始めたら寝るまで飲み続けること!

Q 林道を走行中に通りがかりのドライバーから乗って行けとの声がかかった。ありがたく乗せてもらうか、丁重に辞退するか、あるいは無視するか。

A 無視する。林道を走る車はランナーにとって最大の敵なので石を投げつけるか蹴飛ばすかしたい。それが出来なければせいぜい谷へ落ちるように祈る!

→バサリ切捨て型の問答多数・・・。

「谷へ落ちる」は言いすぎだが、筆者は林道(いわゆるダート林道)を好んでドライブするような車を敵対視しているようで、要所要所で実力行使を薦めていて笑う。(林道を走るときはわざと真ん中を走って車のスピードを落として砂埃を回避・・・とか)

   

◆真面目な分析は正直難しすぎてわからな~い!coldsweats02

筆者は当時東工大の教授。「ランニング登山」で一冊の本として出すわけだから、理論的・科学的・経験値から比較的説得力のある分析も多い。難しすぎる面もある。

山岳走の歴史・目的・意義・気象・アクシデント・装備とツール・・・など、25年前の著作とはいえ昨今のトレイルランニングブームの中で参考になることが非常に多い。

ただし、装備は結局のところ「何でもいい」感じだし、「アクシデント」に至っては大抵は「気合で下山するしかない」というもので苦笑・・・ hospital

山行前のこんな心構えは確かにその通りデス。

Q 登山口に着いたら運悪く雨になった。計画を放棄すべきか、それとも・・・・。

A そもそも、”運悪く”というのはおかしい。半日先の天候ぐらいしっかりと予想をつけてくるのが当然なので、ここは”やっぱり”に直したい。やっぱり雨だったらやっぱり行くしかない。疲労が激しいようならば途中でエスケープということになるが、その下調べもやっぱりがっちりとしてあるはずだ。

なるほど。山での危機管理をもう一度徹底、山で死んではいけない。

            

<おまけ>

この本が一部のマニアに賞賛される一因に「タイムトライアル」の紹介がある。

(あの加藤文太郎の)「六甲全山縦走」 「八ヶ岳夜行日帰り縦走(南・北コース)」 「南アルプス」 「北アルプス」 「奥秩父」 「日光」 「丹沢」 「奥多摩」 などの峰々のコース紹介と、実際に走った自身のタイムトライアル結果(時刻と感想入り)が挙げられていて、これは月日関係なく、今でも参考にして挑戦する人がいるらしい。

                 

そして、当地、神流町の「みかぼスーパー林道日帰りランニング」はそのタイムトライアル編のトップで紹介されていて、(筆者曰く)無駄に整備された全長67kmの林道はランニング練習に馴染みやすい地として高く評価している。

下のタイム表9:55~17:45がこの日の通過時間らしい。

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南牧村~旧鬼石町まで・・・ほどよいアップダウンが足腰に刺激を与える。

個人的にはマイカー組を考慮して、塩沢峠~塩ノ沢峠往復(+塩沢峠~東御荷鉾山下往復)とかでもかなりいいコースだと思うが・・・。

最後に、どこかの山岳会か走友会が主催し、春か秋に全コース車をシャットアウトしてレースを行えば、選手も主催者も山岳レースほど気を使わないですむし、おもしろいと思っている。

とは筆者の言葉だ。

下嶋さんは残念ながら1999年にスイス・マッターホルンで滑落死してしまったそうだが、25年近く経って、氏の言葉通り「みかぼスーパー林道」で神流マウンテンラン&ウオークが盛大に開催されていると思うと感慨無量・・・氏の先見性に拍手したい。

今年もみかぼスーパー林道を行ったり来たり高地トレーニングして、潜在的な走力アップに繋げましょう、そうしましょう!

実はレース本番も林道の頑張りがタイム的には大きなカギよ!ガンバ!heart01

                        

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