6月中旬にパソコンを替えてOSがWindows7になったのはいいが、未だに慣れず、ブラウザ(IE9)もいまいち使い勝手がよろしくないのです 
ブログ更新で躓くことが多すぎて途中で全部消えてしまうこともしばしば・・・と、遅滞の言い訳をしつつ、先日の谷川岳馬蹄形縦走の振り返りだ、それ!
◆上越国境「清水峠」の象徴的な一枚・・・う~ん、素晴らしい景色!

8月5日(日)未明より、タフな縦走路として比較的知られる「谷川岳馬蹄形縦走」に東京の新河岸さんを招いて2人で向かう。
自分は9年前に半分だけチャレンジしたものの、力不足で清水峠で完全撤退、本格登山元年のあの頃は無茶だった
【参考】 谷川岳半分馬蹄 2003.8.22
※上のリンク、写真トリミングで小細工しているが、何もかも若い!山情報は薄い分、ある意味、突っ込みどころ満載というか・・・
今回は綿密に計画を立てて(結果的には綿密ではなかった)、4時半に土合橋駐車場から入山。駐車車両は思ったより少ない。あたりは明るくなっている。
入山の前にわざわざ土合駅に戻ってトイレを済ませると、仮眠者多し。


白毛門へ続く林間の急登りで高度を稼ぐ。稜線に出てもガス模様で絶景のはずの谷川岳・一ノ倉岳の岩壁もほとんど望めず残念。



2時間ちょっとで白毛門到着するも周囲はまだガスの中。
天気予報では雨の予報はないのでそれほど心配はないが、これからの長い道のり、ずっとガスだと面白みに欠けるし多少の不安も増す。



白毛門からその先の笠が岳・朝日岳への稜線を進む。
このあたりは高山植物もとてもきれい。前方からは小屋泊りのハイカーとすれ違うことが多くなる。


ガスに包まれたなかなかいい雰囲気の笠が岳避難小屋。

およそ4時間で朝日岳。高山植物きれいで桃源郷のような朝日岳周辺。



朝日岳から少し北に下ると地塘が点在していて、宝川温泉に下る道のあたりはワタスゲやニッコウキスゲがわずかに咲いていた。ここの「水場」状況は微妙な感じだった。



とりあえずの目標地点である「朝日岳」で迷わず先に進むことを判断して・・・北のジャンクションピーク(巻機山※難路分岐)を越えたあたりで一気に天気が回復してきた!


そして、前方には清水峠の小屋や七ツ小屋山・大源太山がはっきりと見えてきたのでテンションあがる。これから進むコースが見えるのは素晴らしい。

と、清水峠を前にして、JR送電線のあたりから炎天下の暑さで参り始める・・・


白崩避難小屋を覗き見て、清水峠避難小屋前で寝転がって休憩。県境の地、風通しが良くて涼しい。冬場はかなりの豪雪らしい。


この地で再びコース選択、このまま馬蹄形を進むか(=七ツ小屋山経由で蓬峠へ)、土合へ下るか(谷沿いの旧国道コース)。
体力的にも時間的にも予定通りなので迷わず前進・・・急登はじめから峠を振り返る。そして右手にはマッターホルン風の大源太山。



七ツ小屋山山頂まで6時間半、強い日差しを遮る場所のない稜線が続く。はるか向こうにこれから登る武能岳・茂倉岳、雲の中に一ノ倉岳・谷川岳と・・・。
あいかわらず花はきれいなんだけど眺める余裕がなくなってくる。



キタ!ようやく蓬峠ヒュッテに到着。清水峠から地図予測以上に長かった。

ここでスゴロクのように最後の選択点、先へ進む(=武能岳・茂倉岳・谷川岳へ)か、土合か土樽へエスケープするか・・・もっとも、エスケープといってもそう簡単な逃げ道はないのだけど。
結局、ここで一旦土樽方面へ300Mくらい下り、沢で水を補給して、再び蓬ヒュッテ経由武能岳へ進む。


まだまだ先が長い稜線。
時間はまだ午後1時過ぎだけど、この先の予定時間がいまいち読めずにちょっとだけ焦り無言の歩行が続く・・・。天気にもよく雨の心配がないのが幸い。炎天下でややお疲れ気味。


花はきれいなんですよ花は・・・山々の景色も絶景!
茂倉岳避難小屋(水場あり)と谷川岳南陵主脈の万太郎山・・・
【参考】 谷川岳主脈縦走 2010.6.27



馬蹄縦走コースで一番心配していた「蓬峠から武能岳・茂倉岳への登り」をパス。相変わらずの炎天下、茂倉岳でグッタリしているとトンボもとまる。
一ノ倉岳から谷川岳間の割と堪えるアップダウン・・・馬蹄形縦走路のうち「最後の登り」のはず。



走る気力なくコースタイム通り20分で一ノ倉岳。カマボコ避難小屋。
時刻は2時半くらいだが、ほかにハイカーなく、今日最後の下山者なのか?周りに人がいないというのは自ずと心細くなる。


これだ!岩壁で有名な一ノ倉沢の上を進む稜線。
右手に見える一本道を登るだけで、見かけほど全然危険ではない。もちろん、左手を覗くと高度感はある・・・


このあたりも花はきれいなんですよ、花。



途中、ペースダウンあり数回休憩を挟んで、奥の院が見えてきたらオキの耳近い。


オキ~トマの耳の間も、すぐにガスに包まれる。ここまで来るとハイカー数組と出会うが、空身の方々、今晩肩の小屋宿泊の人々とみえて小屋に荷物デポ。



今日の水分摂取量はハイドレーション1.8リットル+ボトル少々で入山、途中、蓬峠下で1.5リットル補給、トマの耳に着く時点でほとんど空になった。
あとは完全に下りのみなので消費の心配は少ないが、気持ちの問題、肩の小屋でやや高価なオレンジジュースを補給する。一人あたり2本、いや3本買った。


あとは西黒尾根を下るだけ。時刻は15時45分と、当初の計画よりかなり時間がかかってしまっているが、日没前明るいうちに岩場を通過できれば、あとは樹林帯の下りは薄暗闇でもヘッドライト点灯で十分下れる計算。



と、ザンゲ岩あたりで一日の荒行を懺悔しながらはるか遠くを見つめると・・・北の方角に例の三角小屋が見えた=「清水峠のJR小屋」。あんな遠くまで行ってきたのか。
写真中央のでっぱりデス。

ハイカー数組を抜かし、とりあえず最終下山者ではないことに安堵して、順調に下る。最後の樹林帯の下りは疲れた足には危なっかしい。



17時半にロープウエイ駅に下り、土合橋駐車場までトボトボと歩いて無事終了。
11時間前後予定の初馬蹄形縦走は暑さもあって実に13時間もかかった。とにかく、事故なく無事に下山できて何より、新河岸さんもお疲れ様でした!


<所要時間> ※個人差ありすぎ、以下は自分向け備忘です
土合橋駐車場4:35→松の木沢の頭6:20→白毛門6:55~7:00→笠が岳7:50→朝日岳・地塘散策8:40~9:00→ジャンクションピーク9:10→清水峠10:00~10:20→七ツ小屋山11:00~11:15→蓬峠・水場まで下る11:35~11:45→武能岳12:35→・茂倉岳13:55~14:15・一ノ倉岳14:35→谷川岳オキの耳15:205→トマの耳15:30→肩の小屋休憩15:35~15:45→厳剛新道分岐16:20→西黒尾根樹林帯16:25→土合17:30)
<コース図> ※手っ取り早いので仲間の新月さんのものを引用
◆新月のリズム 「憧れの☆」 2012.6.30の記録
ただし、自分は厳剛新道を下らずに西黒尾根直進。それから、この恐ろしい姉さんは単独で10時間で行ってるけどとてもそのタイムには及びませぬ。
◆新月さんのヤマレコ記録 こちら
<振り返り>
①武能岳・茂倉岳を超える急登では人も少なく、12時を過ぎて時間も押してきていて、本当に今日下山できるのか、(自分か新河岸さんいずれかでも)ここで動けなくなったらどうしようか、なんでこんなコースに足を踏み入れてしまったのか…などと激しく心が折れて、「よくないこと」ばかりが頭に浮かぶありさま。
②心折れた終盤の救いは午後も天気が安定していたことと、同行人数が少なくてペースが乱れなかったこと(走ることなくずっと歩き=ゆっくりのまま)。装備と食糧・水は反省点多し。
③特に、コースタイム試算はマップタイムではなくて人の山行記(A-新月姉さん10時間/B-山系親父11時間)を勝手に当てにして臨んだ。少なくとも親父並みには行けるだろうと信じて疑わず・・・・
しかし、ポイントごとに他人の通過タイムから徐々に遅れていくのが分かり、どうやらここは暑さとか気象条件に左右される感じ。正直、これは実にマズかった。自分の予定(タイム)は自分で計画しなくては…甘く見るな!
④結果、予定時刻を大幅に超過して、なんと13時間もかかってしまったが、大きな休憩はなくてそれほど手を抜いたわけでもないのにこれだけかかるとは、恐るべし。
⑤ゴアテックストレランシューズ選択は誤り?蒸れて蒸れて駄目だった
⑥もうしばらくはこのコースは避けたい。
清水峠から後半が予測不能でこわい…理想を言えば、二日目を予備日にしておいて、最悪避難小屋や肩の小屋に一泊するつもりで行きたい。次回はまた9年後でいいかな。
⑦この一帯、「スノーカントリートレイル」構想のコースにもなっていて、特徴的な清水峠の景色はサイト上でも紹介されている。
体験ハイクもとても興味深い・・・十字峡ループ、参加したいなぁ
【スノーカントリートレイル】http://snowcountrytrail.jp/
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この記事は個人的な山行・ランニング記録としてまとめています。特にコースタイムやルート状況の記載には個人差や主観がかなり含まれますのであまり参考になりません。
エスケープルートの確認、最低一晩は夜をこせる装備(衣類・ヘッドランプ・食料ほか)の持参が必要な山が多く含まれています。
気象条件や目的・個人の力量・経験にあわせて必ずご自身で綿密な計画を立ててください。最近、ネット情報に頼りすぎて遭難に至るケースが増えているようです。(『山で死んではいけない』74ページ,山と渓谷社,2009.9)
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