7/16(火)、奇跡的に早起きができたのが幸いして、3時に自宅を出て、5時から17時半まで日光白根山界隈を歩き回った。
目的は、大詰めを迎えたぐんま百名山巡り、「錫ヶ岳」(すずがたけ)へ。




96座目「錫ヶ岳」はかなりの奥地で、何年も前から計画を練っていて、いろいろな心配があり、好機を伺っていた。
急に決まった休み&雷雨なく一日好天の予報&自分としては珍しい早朝入山&それなりの夏山装備・・・など万事が整い、今日がまさに最適となった。
菅沼登山口に駐車。実に10年ぶりで、最近、有料化されたらしく一日1,000円と知り、一瞬迷うが、ここを起点にして正解。


まずは弥陀ケ池への急登で高度を稼ぐ。早朝の樹林帯は涼しく、寒いくらい。ギンリョウソウ結局拝めず。
先行者2組くらいで森の中も静かな朝・・・




70分で弥陀ケ池。真正面に日光白根山がきれい。
まだまだ先は長いので、コールを確認の上、速やかに五色沼を目指す。



高山植物も見られるようになり、開けた一帯まで来れば、五色沼。こちらもブルーの水面が美しい。




ここも先を急ぎ、(結果的には前白根山への取り付き口を見落として)「避難小屋」を目指す。
水場のある五色沼からすぐかと思ったら、避難小屋まで予想より距離があった。


と、ここで、先入観で小屋の南の開けた一帯を進み、白根隠山方面を目指すも、それらしき道はなく、手元の登山地図にもない。
※山と高原の地図が2003年版という痛い失態・・・現行地図にルートが載っているのかは未確認だが、古いことは古すぎ、自業自得
やむを得ず、(あまりよろしくないが)藪をこいで白根隠山へ。藪はシャクナゲが美しく、鹿の糞がすごい。




白根隠山の尾根からは日光中禅寺湖や男体山が絶景。後ろを見れば日光白根山が絶景。これは素晴らしい。


ふと遥か遠くを眺めれば、この時期にしては珍しく富士山が顔を出す。右手前は赤城山(黒檜山)の稜線。

そして、これから進む稜線(白錫尾根)の白桧山の向こうに、錫ヶ岳(と思われる)ピークが顔を出した。樹林帯でなく、森林限界超えた稜線なので、歩く甲斐がありそう。



藪とシャクナゲの繰り返しで白桧山を通過。
シャクナゲの満開ぶりに、同行の熱血おじさんのテンションも上がる。(先日嬬恋村しゃくなげ園はあまり咲いていなかったらしい。




白桧から先も遥か遠くに錫ヶ岳。3つのピークのどれか・・・?
基本的に藪こぎだが、赤い鉄板が木に打たれていたり、ピンクテープが程よい感覚で藪に付いているので道迷いはほとんど問題ない。
(濃霧とか悪天候注意。復路の様子も見ながら考えて進む)



稜線歩きが続くと、日光白根は少し後ろになっていて、北を眺めれば、双耳峰の名峰燧ヶ岳がニャンニャンとそびえていて感動する。
手前の二つは四郎岳と燕巣山になる。



軽く休憩ののち、樹林帯の間の「錫の水場」分岐を通過し、なおも藪を進むがなかなか錫ヶ岳に到着しない。急登に苦笑・・・。


目標時刻の10時を15分くらいオーバーして、ようやく錫ヶ岳山頂に到着。3つ見えたピークのうちの真ん中あたりなのだろうか?(どうでも良い話)
山頂は展望ないが、三角点を確認して少し南に出れば男体山・中禅寺湖も少し遠くなって見える。




ようやくたどり着いた錫ヶ岳山頂で10分程度佇んで、復路は来た道をだけ。
一度通った道だから復路は時間もあっという間か・・・と思いきや、結構アップダウンあり、白根隠山まで往路と同じかそれ以上時間がかかったのには驚き。




これから戻る白根山方面。白桧への上り返しは結構こたえる。


白根隠山への岩稜登りもきつい。

日光白根山の南ルートを見ると、元気な歓声を上げた子供たちが蟻の行列のように下山している。後で聞いたところによると160名?らしい・・・後述。


さて、白根隠山で12:30。
早朝の計画時点より時間が早いので、余力も考えつつもう一山二山、迷わず日光白根に登ることにする。
日光白根は2003年11月晩秋に登って以来なので、10年ぶり!
【参考】 日光白根・金精山 2003.11.2
手元の地図が古く、避難小屋への下降点も見つからず、藪へ。(正規ルートは前白根か迂回らしい)
鹿!


日光白根の南ルートはなかなかの急登だが、確実に高度を稼ぎながら、意外と早く山頂に立てた。
途中で、先ほどの歓声の団体さん(都心の男子校中学生160名くらい?)にエールを送る。中一男子、きちんと菅沼から日光白根周回でなかなか見上げたものネ。




日光白根山頂には、平日ハイカーが数組。天気がよく展望も抜群。
尾瀬燧ヶ岳も際立つね!猫耳。



こちらの遠景は上州武尊山になる

ぐんま百名山残り未踏の4座「景鶴山」「大水上山」「丹後山」「平ガ岳」が集約される下の写真・・・そんなことを言っているうちに、鹿が視界に現れる(写真中央)

逃げない鹿を追う、そして、岩壁の母鹿?




弥陀ケ池方面に下りながら、菅沼・丸沼・尾瀬を望む。東の方向にはこれから進む金精山あたり・・・。温泉ヶ岳も見える?




弥陀ケ池から菅沼には下らず、当初の計画通り金精峠周回とする。
五色山より五色沼。中央に避難小屋の赤い屋根が見える。沼には誰か泳いで?いた。



五色山・湯元分岐を過ぎて金精山手前まで来ると、栃木県側は案の定ガスが立ち込めて県境クッキリ。



今日長い一日、最後の上りとなる金精山に踏ん張って登る。




最後の休憩ポイント、金精峠に立つ金精神社。祀られているのは?ナニ!?



17時、菅沼に向けて金精峠を下る。30分ほどで無事に駐車場到着。


山仲間の熱血おじさんの同行のおかげで終始ハイテンションで、余力ついでに日光白根山・五色山・金精山も登り、20km超のハード山行となる。
暑さも影響して久しぶりにぐったり、でも充実の一日!
<所要時間> ※ややハイペースで参考ににならず?
菅沼駐車場5:30→弥陀ケ池6:40→五色沼7:00→避難小屋7:25→白根隠山8:00→白桧山8:30→錫ヶ岳10:10~10:20→錫の水場10:50→白桧山12:10→白根隠山12:30~12:40→避難小屋13:20→日光白根山14:05~14:15→弥陀ケ池14:45→五色山15:40→金精山16:15→金精峠16:45~17:00→菅沼駐車場17:30
<コース図> ※なかなか派手に歩いている
<振り返り>
①菅沼駐車場から弥陀ケ池までは北斜面の樹林帯をひたすら登る。展望はあまりないが、確実に標高を稼いでいるので貪欲に前に進みたい
②避難小屋から白根隠山へ向かう登り口が分からず、少し道迷いしながら藪こぎで稜線へ。手元にある地図が「2003年」でコース実線も破線もなし、これは自分が悪い。
→あとで振り返ると、前白根山に一旦まいてから白錫尾根に出るのが正しい様子。古い地図に頼ることは危機管理不足でマズイ
③今回最も心配していた白錫尾根の状況は、ピンクテープ・赤印が至るとことにあり、適度な間隔で実にバランスよくついていので言うことなし。木の上の枝や、夏道踏み跡から離れた位置についていないのは、積雪・残雪期に登る人は少ないということか?
薮が深いのでそれなりのルートファインディングの姿勢は必須。ピンクテープ山中に放置の是非は意見が分かれるところか…
④復路、余力あり予定を変えて日光白根山を経て金精峠周回へ。菅沼起点としての周回は日光白根の醍醐味ですが、金精方面は濃霧多いので、天候不良時は慎重にしたいところ。
⑤心配の種のひとつ、熊遭遇の対策として「とうがらしスプレー」を先日購入して持参してみたが、特に問題なし。それよりも、鹿の気配強く、日光白根山で何度も遭遇したほか、白錫尾根ではあちこちで「臭い」する・・・。山中で「獣の臭い」に反応した自分は初めて!
⑥ぐんま百名山、残りの「丹後山」「大水上山」「平ガ岳」「景鶴山」は、ゴールデンウイーク限定の景鶴山を除けば今夏~秋で着実に踏みたい・・・
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この記事は個人的な山行・ランニング記録としてまとめています。特にコースタイムやルート状況の記載には個人差や主観がかなり含まれますのであまり参考になりません。
エスケープルートの確認、最低一晩は夜をこせる装備(衣類・ヘッドランプ・食料ほか)の持参が必要な山が多く含まれています。
気象条件や目的・個人の力量・経験にあわせて必ずご自身で綿密な計画を立ててください。最近、ネット情報に頼りすぎて遭難に至るケースが増えているようです。(『山で死んではいけない』74ページ,山と渓谷社,2009.9)
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